ミニマル・ミュージックとは
リラクゼーション音楽には、ミニマル・ミュージックというものがあります。ミニマル・ミュージック(Minimal Music)というのは、メロディーやリズムなどの動きを最小限に抑え、それをひとつのパターンとしてリピートさせることで作り上げていく音楽で、1960年代に現代音楽の1ジャンルとしてアメリカで生まれました。
スティーヴ・ライヒ『Violin Phase』
どのような音楽か、実際に聴いてみましょう。ここでは、スティーヴ・ライヒ(Steve Reich)というアメリカの作曲家が作った音楽を聴いてみましょう。スタッカートぎみのヴァイオリンの音が延々とリピートされ、たまに発生するズレや少しずつ変化する音楽が、オーガニックな心地良さを生み出していますね。
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リピートは人間の肌に合っている
ミニマル・ミュージックが不思議な心地良さをもたらすのはなぜでしょう。僕たちの周囲を見渡せば、小さな単位を並べることで構成されているものが多く存在しています。たくさんの木が並ぶことで森ができていますし、四季も春・夏・秋・冬という4種類の時間的区切りからできています。僕たちの身体だって同じ形をした細胞が集まって作られています。並べられたものや延々と続く繰り返しを人間はきっと生理的に心地良く感じるのでしょうね。「リピート」というと機械的なイメージがありますが、本当は人間の肌に合っているのです。
アルヴァ・ノト&坂本龍一『Vrioon』
もう一曲、このミニマルという手法を使って作られた音楽をご紹介したいと思います。アルヴァ・ノトと坂本龍一さんのコラボレーション音楽です。アルヴァ・ノトは、カールステン・ニコライというドイツ人音楽家による活動名であり、エレクトロニカや実験音楽を中心に活躍しています。それでは、『Vrioon』という曲を聴きましょう。静かなリピートに心が落ち着いてくるのをお感じいただけるでしょう。
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