美しい民族音楽
僕は音楽大学でマリンバ(木琴の大きいの)を専攻したこともあって、以前から民族音楽が大好きです。ピアノやオーケストラによる音楽の多くは「西洋音楽」の領域にありますが、それとは異なる独自の道を歩んできた音楽が世界にはたくさんあるのです。それらは「民族音楽(エスニック・ミュージック)」と呼ばれ、西洋音楽とは異なった和声法や時間の区切り方を持っています。民族音楽は色彩豊かで、独特の雰囲気があり、大地と人間の香りがします。日本の民謡も、民族音楽の一つであると言えるでしょう。今日は、「ガムラン」というインドネシアの民族音楽をご紹介したいと思います。
ガムラン音楽の心地良さの理由
ガムラン(gamelan)は、インドネシアの民族音楽で、大きさの異なる銅鑼や鍵盤打楽器による合奏です。「ガムラン」という言葉は、「たたく、打つ、つかむ」という意味で、主に16ビートや32ビートのリズムを叩いて奏でられます。二つの対立した軸で動き、たとえば、AのパートとBのパートを組み合わせることで、Cというメロディーを構成する、などといったように音楽表現されます。調律されていない2つの楽器の微妙なずれによって生まれる音のうねりは「オンバ」と呼ばれ、ガムラン音楽の心地良さの理由です。
聴いてみましょう
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金属を叩くことで生まれる波動のアンサンブルがとても心地良いですね。日本でも仏様を拝む時に鐘を叩きますが、あれに似た癒し効果を感じます。バリ島のビジュアルとセットにされることが多く、「楽園」をイメージさせる民族音楽です。