音の起伏
歌の主役である「メインメロディー」は、音の高低による起伏を持っています。山をどこに設定し、谷をどこに設定するか。作曲家は、歌詞を読みながら模索します。歌詞を構成している単語そのものが元々小さな起伏を持っていて、連なることで大きな起伏を作り、それがメロディーの持つ「感情の導線」となります。リスナーはこの感情の導線に沿って、心が躍ったり、安らいだりすることになります。
最高音はサビに一回
音の高低が人の心に与える影響を考えてみましょう。低い音は、「落ち着き、安定感、重々しさ、深い悲しみ」などをリスナーの心に浮かび上がらせます。高い音は、「解放感、絶頂感、満たされた感じ」などをリスナーの心にもたらします。音が低い方から高い方へと上がっていくにつれ、心もじわじわと高揚してきます。そのような音と心の関係を考えた時に、高い音がサビ(その曲で最も盛り上がる部分)に使用されるのは必然的なことです。特に、その楽曲におけるメロディーの最高音は、映画におけるクライマックスのようなものですので、一点集中、登場回数が少ないほうが効果的でしょう。